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 〈vol.6〉清水文清さん(富山大学生活協同組合専務理事) 「取材部2005.03.28」

今回は、富山大学生活協同組合の清水専務理事にインタビューしてきました。富山大学生活協同組合では、ごみの減量化や環境保全に関する先進的な活動を展開され、平成14年度の「富山県認定エコショップ」に認定されています。清水さんよろしくお願いします!

― 清水さんのプロフィール − 
1950年 広島県福山市に生まれる
1970年4月 富山大学経済学部経済学科入学 
1974年4月 富山大学生活協同組合入職
1995年5月 富山大学生活協同組合専務理事に就任
現在に至る  
清水文清

 生協での取り組みのきっかけは?

カズ:富大生協でごみの減量化や環境保全に取り組むきっかけとなったものは何ですか??

清水さん: 始めは美化活動からスタートしました。
 以前、岐阜大学の生協を見学に行った時、キャンパスに空き缶、空きビンが落ちていないのに驚きました。自分達が意識すればきれいにすることができるのではないかということで、1991年から「キャンパスクリーン大作戦」と銘打ってキャンパスのごみ拾いと、拾ったごみの分別を始めました。
 月3回、学生・職員15名ほどで始めた頃は、当時はごみ袋5〜8袋分もありましたが、今では袋の3分の1以下の量になったんですよ。

カズ:そういえば空き缶など全く落ちていませんでしたね。

清水さん:そうです。ポイ捨てはほとんどありません。学生の意識が高まっているからですね。


 現在の取り組み?

カズ:現在はどんな取り組みを進めておられますか?

清水さん: 今はごみの減量化、リサイクルなど大きく分けて6つの取り組みを行っています。
@粗大ごみのリユース
 学生が卒業する時期は、アパートから大量にベッドや家電製品などの粗大ごみが出ます。集積所が粗大ごみの山になることから毎年近所から苦情が出ていました。でも実際は使えるものばかりなので、生協に持ち込んで頂き、留学生に渡すようにしました。 これまで富山大学に在籍している270名の留学生の方々に使ってもらっていますね。
 また新入生は富山市のごみの出し方はわからないと思うので、富山市環境センターのごみ収集日一覧等のポスターや富山広域圏指定袋を渡して、ごみ出しのルールを知ってもらうようにしています。

A割り箸のリサイクル
 森林資源の保全のため、間伐材で作った割り箸(樹恩わりばし)を食堂で使用しています。使用後は箱詰めして福島県の業者に送り、パーティクルボードにリサイクルしています。食堂で使用した割り箸だけでなく、学生が学内で使った割り箸も持ってきてくれるので今では90%の回収率になっています。

B飲料容器のリサイクルやデポジット
 平成13年より、飲料自動販売機の紙コップのリサイクルを始めました。紙コップのデポジット方式(※)を取り入れ、今では回収率は70%になっています。回収した紙コップは石川県の製紙工場でトイレットペーパーにリサイクルされています。
 また、紙コップ回収機のそばにユニセフ募金箱を置いてほしいとの学生からの提案があり設置したところ、これまでに18万円も集まりました。
 更に昨年10月から、マイカップ方式の自動販売機も導入しました。これは、自分のカップを持ち込んだ場合は、20円分が割安になる制度です。
(※)あらかじめ紙コップ代(10円)を上乗せして販売し、飲んだ後紙コップを返却するとコップ代が返却される仕組み

デポジット01 デポジット02
マイカップ方式の自動販売機
弁当容器デポジット
弁当容器のデポジット制度

C弁当容器のデポジット制度
 弁当についても、紙製弁当容器代として10円上乗せするデポジット方式で行っています。食べたあと返しに来ないとお金が戻ってこないので、苦情が来ると思っていましたが、一つもありませんでした。集めた紙製容器は県内の古紙回収業者が集めて県内の紙製工場で段ボールや紙ファイルなどにリサイクルされています。
 大学院生の中には、研究室にためておいた弁当容器を換金し、新潟中越地震の募金へ協力してくれた人もいました。

過剰包装削減
過剰包装の削減にご協力を!

Dレジ袋の削減
 生協では年間延べ60万人の利用者がいます。以前はレジで商品を全て袋に入れて渡していましたが、親切と思ってやったことが学生のレポートを見ると逆に不親切なことをしていることがわかりました。学生としては学内で使うものだから袋は要らないんだけど、渡されてしまうと「いらない」とも言えずついついもらってしまうらしいんです。
 そこで、レジ袋が欲しい人だけ自由に持って行って下さい(セルフ化)ということにしました。これにより年間60万枚が40万枚になり3割減りました。
 それからもっと減らそうということで、レジ袋が欲しい人はお金を入れていって下さい(カンパ方式)ということにしました。これで更に減りました。みんなバッグやリュックに入れて持って行くのが定着しましたね。

E自動販売機の電力削減
 昼間は自動販売機の照明を消すとともに、夜は3本の蛍光灯のうち2本だけ点灯するようにしています。これで電気代が4分の1に減りましたね。これって簡単にできるんです。自動販売機を開けるとタイマーが付いていて昼間は照明が消えるようにセットすればいいんです。あまり行われていないのは、自動販売機を所有している人は気づいていないだけですね。

カズ:取り組みが徹底しているだけでなく、いろいろと考えながら向上されていますね。

清水さん:経費が多少かかっても社会全体から考えると安上がりで良いことであれば、やってみることにしています。全国の大学生協の中では一番進んでいると思います。意外と気づかないことでも、考えたり工夫すれば減らすことができるんですよ。

 これからの活動?

カズ:生協の今後目指す取り組みについて教えてください!!

清水さん: 大学で環境問題に取り組むことにしており、生協としてもこれまで以上に取り組んでいきたいと思っています。環境マネジメントシステムの認証に向け、今年、目標を定めて宣言していきたいと思います。
 また空き缶、ペットボトルの回収機を設置し、ICカードでポイントを貯める制度にしたいと考えております。拡大生産者責任ということを踏まえ、メーカーの協力も得ながら進めていきたいですね。
 マイカップの自動販売機については、現在20〜30%の利用率をもっと増やしていきたいですね。ただ、保健所の衛生上の指導があり現在2ヶ所でしかできないのが悩みです。ドイツでは普通に行われていることなのに、日本ではなぜできないのか?自分のカップを利用するのであればいいと思いますがね。

 まだまだあります!

エコショップカズ:こうした取り組みが様々なところで評価されていますね。

清水さん:平成15年2月に、富山県リサイクル認定制度に基づく「エコショップ」の認定を受けました。
 また、昨年10月には、リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進協議会の会長表彰を受賞するとともに、静岡市で開催された第3回ごみゼロ推進全国大会で、活動事例発表も行ってきたところです。今度、富山県立大学にも生協ができるようですが、私達の取り組みを見習っていくようです。

カズ:清水さん今日はありがとうございました!!

 編集後記

 今回は富山大学生活協同組合に取材に行ってきました!行われている様々な取り組みに感心し通しでしたね。  
 学生時代には気付かなかったのですが、富山大学生協は環境に関する分野では全国の大学生協の中で最も進んでおり、他の生協の模範となっているということでした。これから社会で活躍する学生さんの意識の啓発の拠点になっているんだなと思いました。
 次回は「バイオトイレ」に関する情報をお伝えしたいと思います。
 どのようなお話が聞けるのか楽しみにして下さい!!(カズ)

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